自宅前のブロックが劣化しているのを見つけたら、早めの修繕がおすすめです。
設置後は特にメンテナンスをすることもなく放置されがちですが、経年劣化によるひび割れなどは地震により崩れてしまうケースも少なくはありません。
本記事では、ブロック塀の修理を業者に依頼した時の費用相場とDIYでかかる費用、経年数による劣化具合について解説します。
劣化状況に合わせた修理方法なども、合わせてご覧ください。
Contents
ブロック修繕工事を業者に依頼した場合にかかる費用相場
ブロック修理工事は、ブロックの状態によって費用が異なります。
ここでは3つのパターンに分けて、修繕工事を依頼した場合の相場を紹介します。
自分の家の塀がどのような状態になっているのかを確認し、適切な費用相場を確認しましょう。
ひび割れの修復を依頼
ブロック塀にひびが入っていた場合には、速やかに修繕工事を業者に依頼しましょう。
ひび割れの原因は、経年劣化だけでなく外的な要因によって起こります。
地震などの自然災害や自転車や自動車の衝突によるもの、小さなヒビから雨水が入り込むことによって劣化が進みひび割れが進行します。
状態にもよりますが、1箇所につき約10,000円から20,000円程度です。
ひびが大きく、欠損している場合には20,000円から30,000円かかるケースもあります。
見つけたらできるだけ早く業者に連絡し、見積もりを取って修復を依頼しましょう。
塗装を依頼
小さなひびの場合、塗装することによって劣化の進行を食い止めることができます。
高圧洗浄で汚れを落としひびを修正してから、塗装するため美観も良くなるためおすすめの方法です。
費用の目安は1平方メートル3,000円から5,000円となり、塗装範囲や塗料によっても費用相場が異なります。
DIYで簡単に塗装すればいいと考える方もいますが、ひび割れは見た目以上に奥まで深くダメージを受けています。
パテなどで補修し、塗装しても数年でひび割れが進行してしまうことを考えるのであれば、業者に依頼するのが良いでしょう。
傾きや壊れているところの修復を依頼
ブロックの中には鉄筋が入っており、ずれや傾きが起きないように強度が高められています。
耐久性に優れたブロックですが、強い力がかかったり、物がぶつかったりすると鉄筋が歪み傾きます。
中の鉄筋が歪んだまま放置したり、塗装やパテで簡単に修復したりでは、水などが入り込み錆びてしまう可能性が高いです。
腐食が進行すると、目地部分に苔やカビが生えてしまうことにもなりかねません。
このような状態を放置すると、倒壊の危険性が高くなるためブロックを建て直さなければなりません。
中心部まで腐食しておらず部分的に破損がある場合には、1平方メートル2万円程度の修理費用となり、ブロックを建て替えすると17万円ほどの修理費用が必要です。
交換を依頼
ブロックを交換する場合、古いものを取り壊してから撤去し基礎から作り直しをしなければなりません。
解体し既存構造物撤去工事を行った場合、1平方メートル5千円〜1万円程度です。
取り壊すブロックの大きさや広さによって価格が異なるため、施工会社に問い合わせ見積もりを取りましょう。
交換となった場合、基礎再建が1平方メートルあたり1万5千円〜2万円、ブロック塀新設は1平方メートルあたり1万〜1万5千円程度を目安にしてください。
撤去を依頼
ブロックの破損を修復すると費用がかかることや、地震などによる倒壊の不安から撤去を検討する人も増えています。
ブロックの大きさにもよりますが業者に依頼すると5万円〜20万程度かかります。
撤去する範囲やブロックがある場所によって、人件費や運搬費用、産廃処分費用が異なるからです。
トラックが入らない場所には、工具を持って作業員が解体をするために向かい、壊れたコンクリートやブロックをトラックのある場所まで運ばなければなりません。
正確な解体・撤去費用は、専門業者に相談してください。
ブロック修繕工事をDIYで対応した場合の相場費用
ブロックをDIYで修繕すれば、業者に頼むよりも格安の費用で収まります。
小さなひび割れや欠けであれば、鉄筋にまで影響はないためDIYで修繕しても特に問題はないでしょう。
遠目からはわからないくらいの細かいひび割れは、補修の難易度も低くDIYで対応できます。
DIYで修繕する場合、パテや粘土、スプレーなどをひび割れ部分に注入してヘラで整えるだけと簡単です。
この場合には、数千円程度で修復が終わります。
部分的な塗装については、ブロックを洗浄しひび割れを補修し塗装して乾燥させて完了です。
ひび割れ修理のパテなどの料金に加えて塗料の代金がプラスされます。
どのような塗料を使うかによって費用は異なりますが、約2万円程度でブロックをDIYできるでしょう。
経過年数ごとに見るブロックの劣化
丈夫に見えるブロックですが、雨や台風などによって経年劣化していきます。
これから年数ごとにブロックの劣化状態を説明すると共に、劣化段階ごとに放置する危険性も併せて紹
介します。
10~15年
日焼けによる色褪せや、雨風によって細かいひびが入るケースもありますが、強度には問題ないでしょう。
苔などが生えている場合には、洗浄し乾燥してからパテなどで補修しましょう。
補修後は塗り替えをすれば、強度を保ったまま費用も抑えられます。
自然災害で破損した場合には、速やかに業者に相談しましょう。
30年
ブロックの耐用年数は約30年と言われています。
30年越えると、全体的にひびが入り劣化が目立つようになるでしょう。
大きなひびや破損があるブロックは取り壊し、基礎から作り直し修繕を行います。
DIYでの修繕は難しく、業者に依頼してください。
耐用年数を越えたブロックは、基礎部分の鉄骨が腐食や湾曲している可能性があります。
部分的な修繕を行っても、震災などの外的な要因により倒壊する危険性が高くなります。
40年
すでに寿命を越えたブロックは、見た目に大きな損傷が目立ち、鉄筋の錆が浮き出て変色を起こしています。
台風など、ちょっとした刺激で倒壊する危険性がある状態です。
取り壊して新しく作り直す必要がでてくることからも、解体・運搬・再建と費用が高額になります。
また、道路に面している場合、倒壊して人身事故を起こしてしまうとブロックの持ち主が責任問われます。
できるだけ早く、ブロックのリフォームを行いましょう。
ブロック塀の劣化段階
ブロックは急に劣化が進むものではありません。
徐々に進行し、ひびや破損が目立つようになると倒壊の危険性が高まります。
初期段階では目地のひび割れや変色など、見た目にわかる変化です。
この段階で修繕しなければ、目地から雨水が侵入し鉄筋に錆が生じるようになります。
鉄筋に錆が生じると、急激に劣化が進行します。
水分を含んだブロックを鉄筋が押し出すようになるため、大きなひび割れが生じるでしょう。
劣化がこの段階まで進んでしまうと、耐用年数未満でも倒壊や破損が起こります。
最終的にブロック表面が剥がれ落ち、鉄筋の錆が浮いてくるため表面の汚れが強くなります。
ブロック塀の劣化を放置すると危険
ブロックの劣化段階によっては、DIYで修繕が可能です。
たいしたことがない、見た目には問題がないからと劣化を放置すると自然災害などによって圧力がかかり崩れてしまいます。
特に最近では地震が頻繁に起こっているため、見えない部分に破損があるケースも少なくはありません。
建築基準法に準じているのか、点検やメンテナンスを行いましょう。
ブロック塀の劣化状態による対処方法
環境によってブロックの劣化程度にも違いが見られます。
ブロックの劣化に気づいたら状態に合わせ適切に対処を行ってください。
これからブロック塀の劣化状態ごとに対処方法を紹介します。
コケやカビなどの汚れ
ブロックは年中雨風にさらされているため、内部に水分が侵入すると表面にコケやカビが生えてきます。
これらは適切に処置しなければ、繰り返し表面に出てくるだけでなく劣化を進行させます。
ヘラなどで表面を削り取ってから、ブラシでこするか高圧洗浄機を使用して洗浄しましょう。
頑固なカビには、壁用カビ取り剤が効果的です。
定期的にメンテナンスを行い、ブロックを清潔に保ちましょう。
白華現象
ブロックの表面に白い生成物が浮き出ることがあります。
これは雨水がひび割れから侵入したことによって、モルタルが溶けだしているのが原因です。
強度に問題はありませんが、コケやカビと同じように外観を損ねてしまいます。
たわしやブラシで強くこすると簡単に落ちますが、長期的に放置した場合にはクエン酸やハイターなど等、酸性の液体で中和させた後、水洗いしてください。
ひび割れ
ブロックのひび割れは、地震などの自然災害や衝突などの外部からの力で発生することがあります。
ここではひび割れの大きさと対処方法を解説しましょう。
ヘアーラック
髪の毛のように細く浅いひび割れをヘアークラックと呼んでいます。
主に地震が原因ですが、凍結したあとに溶解することでひびが入りやすい状態となります。
縦に入った場合には雨の侵入を避けられますが、横に入ってしまうと雨水がブロック内部に混入しやすくなるので注意が必要です。
ひびが浅い場合には、パテやシーリング材を使いDIYで修復できますが、シミができていたりコケやカビが生えていたりしたら業者に補修を依頼しましょう。
1mm以上のひび割れ
このまま放置しておくと雨水が侵入し、土台である鉄筋の劣化を進行させてしまいます。
錆がひどくなると、ブロックが傾き倒壊する危険が高まる恐れがあるため注意が必要です。
DIYで修復する場合、シーリング材が奥まで入りにくく、ヒビを埋めているかもわかりません。
1mm以上のひび割れは補修後に塗装して、雨水が入らないようにする必要があります。
DIYで補修は極めて難しい段階にあるため、業者に依頼して状態を確認し、場合によっては補修か建て直しとなります。
ブロック塀の危険性を確認して適切に対応
大阪府北部大震災では、通学路のブロック塀が倒壊し、幼い命が奪われました。
全国には放置されているブロックも多数あり、中には空き家や所有者が不明なものもあります。
老朽化や建築基準法を満たしていないブロックは、地震によって倒壊の危険性があることはわかっています。
ブロックの高さなどを規定した、建築基準法施行令の改正も行われており、改正前に作られたブロックや老朽化したものは危険です。
国土交通省が発表した点検項目6つに当てはめて危険な状態ではないか、確認しておきましょう。
1. 高さは地盤から2.2m以下
2. 厚さは10cm以上ある
3. 控え壁はあるのか
4. 基礎がある
5. 傾きやひび割れがなく安全に保たれている
6. 塀に鉄筋はあるか(専門家に依頼し調査)
まとめ
ひびや部分的に破損したブロックは、地震や台風の影響を受け重大な事故につながる危険があります。
ひびが入っていないのか、カビやコケの症状は出ていないかを確認してください。
補修したからといって耐久性や強度は回復することはなく、劣化の進行を遅らせるだけで十分な効果は得られません。
補修した後は定期的な点検を業者に依頼し、メンテナンスを行うことで、倒壊の危険性を予防してください。