側溝工事とは?側溝の種類や側溝工事の流れついて解説

普段歩道を歩いているときに見かける、道路のわきにある溝をご存知でしょうか。

その溝は「側溝」と呼ばれています。

側溝は「側溝工事」によって取り付けられますが、なぜ側溝が必要になるのでしょうか。

実は側溝は、私たちの生活にも非常に深く関わってきています。

本記事では、側溝工事をしなければならない理由、側溝の種類や側溝工事の流れについて解説していきます。

側溝工事って何?

 側溝工事は、道路のわきにある側溝の取り付け工事のことです。

側溝工事を行う目的は2つあります。

1つ目の理由は、道路に降った雨水を流すためです。

側溝があることで、道路に落ちたゴミや汚れなどを流すことができ、道路を美しい状態に保ち、衛生的で快適な環境が作られます。

2つ目の理由は、民地内に入った雨水を排水するためです。

道路と同じく、民地内に入った雨水やごみ、汚れなどを洗い流してくれるため、民地内の美観も守られるというメリットがあります。

また、側溝にはカエルやタニシなどの小動物・植物が生息しています。

側溝に植えられた花や草は道路の景観をよくするなど、生物の多様性や緑化などの取り組みにも貢献しているのです。

側溝工事をしなければならない理由

側溝工事の目的は、道路や民地内の雨水の排水を流すことですが、なぜ雨水を流さなければならないのでしょうか。

その理由は、「水循環」を行うためです。

地球上にある水は、海水や河川、地表面の水が蒸発して雲となり、雨や雪になって地表面に降ります。それが水道や下水道、川を流れて海に辿り着くというように絶えず循環しており、この循環を「水循環」といいます。

側溝は、この水循環をサポートする役割があります。

水循環を円滑に行えるように、側溝に排水し、川や海まで運んでいるのです。

もし側溝がないと、雨水が通る場所がなくなり道路が雨水で水浸しとなり、冠水や浸水被害に遭う恐れがあります。

水をしっかりと循環させるため、私たちが普段使っている道路が浸水しないためにも側溝の取り付けが重要になってきます。

側溝の種類

側溝にはいくつか種類があります。

ここでは以下の側溝についてご紹介します。

  • PU側溝(道路用側溝)
  • 現場打ち側溝
  • L型街渠
  • 用水路
  • 管渠型側溝(スリット側溝)
  • 建設省蓋
  • 特殊蓋
  • ディンプルエフ(側溝蓋)
  • グレーチング

それぞれの側溝について見ていきましょう。

PU側溝(道路用側溝)

PU側溝とは、街中でもよく見かける一般的な形をした側溝のことです。

歩道内で設置されている歩道用規格と車道に設置される車道用規格の2種類があります。

車道用規格の場合、車が頻繁に通るため蓋がガタついたり、壊れてしまったりといったことが起こりやすいというデメリットがあります。

現場打ち側溝

現場打ち側溝は、施工業者が現場で直接型枠を組んでコンクリートを流し込んで作る側溝のことです。現在はサイズが規格化されていますが、数十年前は現場によってサイズがバラバラでした。

そのため、過去に現場打ち側溝で作られた側溝に、側溝蓋を取り付けたくても対応が難しいケースもあります。

L型街渠

L型街渠は、道路と歩道が分かれていて市外地域の道路で広く使われている側溝です。

ところどころに「グレーチング」と呼ばれる格子状の側溝蓋があり、そこへ雨水が流れる仕組みになっています。

用水路

用水路は、川やため池の水を畑などに運ぶための水路です。

基本的には蓋はついていません。

場所によっては、柵が取り付けられたり、蓋を取り付けたりなど転落防止策が取られています。

管渠型側溝(スリット側溝)

管渠型側溝は、溝と側溝本体が一体化された側溝のことです。

側溝上部に「スリット」と呼ばれる集水口がついており、グレーチングがなくても高い集水力があるので、排水が効率よく行われています。

建設省蓋

建設省蓋は、現在の国土交通省によって定められた規格の側溝蓋のことです。

JIS側溝蓋と見た目は似ていますが、若干幅と厚みが大きいサイズになっています。

特殊蓋

特殊蓋は、ある特定の地域や現場で使用するために、その場所に合わせて作られた特注の蓋のことです。

一般的には使われないため、限定的な使用に限られています。

ディンプルエフ(側溝蓋)

ディンプルエフとは、スリットの入った蓋のことです。

側溝本体と一体化させる工法で取り付けられるため、蓋がズレにくく、破損やガタツキが発生しにくいというデメリットがあります。

既設の蓋と交換して取り付けることが多いです。

スリットが入っているため、集水力が高く、グレーチングがなくても水たまりの発生を抑えられます。製品寸法も自由に製造できることから、どんな形の側溝にも合わせることができます。

グレーチング

グレーチングは格子状になった鉄でできた側溝蓋のことです。

雨水を排水するための集水口で、側溝の各所に取り付けられています。

強度が高く、側溝本体に固定することもできるので、破損・ガタツキも防止できます。

強度が高いことから、側溝目的以外にも車が頻繁に通る場所に採用されることも多いです。

側溝工事の流れ

側溝工事の流れについて見ていきましょう。

まずは、基礎工事です。

側溝を施工するのに必要な深さまで地面を掘ります。

基礎地盤は転圧機で十分に占め硬めを行い、切込砕石・敷モルタルなどの基礎工事を行います。

次に側溝本体を設置していきます。

本体を重機で吊り上げ、完成した既存に埋め込んでいく作業です。

水路勾配が必要な場合は調整コンクリートを使って勾配を作っていき、設置した側溝に合う蓋を取り付けます。

集水能力や現場の条件に合わせてコンクリート蓋とグレーチングを使いわけていきます。

最後に側溝の周りを土で埋め戻したら完成です。

最近では、ちょっとした自宅の外構の際に、DIYで側溝を作るという対応も増えてきています。

ホームセンターで小さなU字溝を購入し取り付けることで、家の庭の排水を効率よく行うことが可能です。

まとめ

側溝工事について解説しました。

普段何気なく見る側溝ですが、雨を排水したり、地面の汚れを洗い流したりと、実は私たちの生活に非常に深く関わっています。

現場の状況などを鑑みて、適切な形の側溝やグレーチングが採用されており、それによって道路の冠水や浸水被害を防げているのです。

先に述べたようにDIYでも側溝作りができますが、庭の水はけを良くするために排水用の側溝を作りたいという方は、施工業者に相談してみてはいかがでしょうか。

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この記事の監修者

株式会社尚建 代表取締役 村下 尚志

京都を中心に土木工事から土地の有効活用まで幅広く、お客様の立場で考え、最適な工事のご提案をしている。 安全性と美観を兼ね備えた工事を行い、スピーディーにご要望に応じることをモットーとしています。