「宅地造成工事って何？」
「何のために行うの？」
宅地造成工事と聞くと、何だか少し難しく感じる方もいるでしょう。実際、難解な法律や申請がある工事で、簡単に行えるものではありません。
ただし、私たちが安全に暮らしていくために欠かせない工事ですので、マイホームを建築予定の方は避けて通れないものになるでしょう。
「そんな難しいことは分からない！！」
という方もご安心ください。
この記事では、宅地造成工事の基礎知識を丁寧に解説していきます。
工事費用や期間の目安なども述べているので、この記事を読めば宅地造成工事のことは丸わかりです。
宅地造成の基本を押さえたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
宅地造成工事とは？
宅地造成工事とは、住宅や建物を安全に建てられるよう、土地を整える工事のことです。宅地造成工事は、次のような手順で行われます。
- 調査段階（地盤調査・土地の状況確認）
- 設計段階（造成計画の策定、土地の形状や周辺環境に応じた設計）
- 工事段階（造成方法の種類：切土、盛土、埋め立て、地盤改良など）
- 工事後の整備（排水設備の設置、地盤の整地）
日本では地震や豪雨による土砂災害が多いため、土地の地盤が弱いと建物の安全が確保できません。
そのため、宅地造成工事を行い、地震や大雨に耐えられるようにする必要があるのです。
傾斜地に宅地を建てる際にも行われます。
例えば、山の斜面や傾斜地に住宅を建てる場合、宅地造成工事を行い、盛土や切土で地面を平らにする必要があります。
崩れやすい地盤には擁壁を作ることで、土砂崩れのリスクを軽減することが可能です。
水はけを良くするために、排水設備の工事も同時に行われます。
宅地造成工事は、建物の安全性や耐久性を高めるために欠かせない工事です。
この工事を行うことで、土地を安全かつ効果的に利用でき、住宅の資産価値を向上させることもできます。
宅地造成工事にかかる費用と期間
宅地造成工事の費用と期間は、土地の規模や地盤の状態、必要な工事の内容によって大きく異なります。
そのため、工事前は適切な予算計画が欠かせません。
工事費用には盛土・切土作業や排水設備の設置、擁壁の建設などが含まれます。
以下の表は、工事費用と期間の目安です。
| 工事内容 | 費用の目安 | 工期の目安 | 概要 |
| 切土・盛土 | 1,000～5,000円/m² | 1週間～1ヶ月 | 土地の傾斜を平らにする作業 |
| 擁壁工事 | 50万円～200万円/10m | 2週間～1ヶ月 | 地盤崩れを防ぐ壁の設置 |
| 排水設備設置 | 20万円～100万円 | 1～2週間 | 雨水の流出を防ぐ設備 |
| 地盤改良工事 | 5,000～20,000円/m² | 1週間～1ヶ月 | 軟弱地盤の強化 |
表はあくまで目安です。土地の状況や天候によっては、工事の内容が大きく変化します。
そのため、費用や工期は状況によって異なることに留意しておきましょう。
宅地造成工事は土地条件により費用と期間が変動するため、事前に見積もりを取り、計画的に進めることが重要です。
土地の条件に合った工事を選択することで、効率よくコスパの高い造成が可能になるでしょう。
宅地造成工事の法規制
宅地造成工事は災害リスクの高い区域で安全に土地造成を行うため、「宅地造成等規制法」に基づいた厳格な規制があります。
そのため、工事を行うには許可を得る必要があるのです。
宅地造成等規制法は、宅地造成に伴う土砂崩れや地滑りといった災害を防ぐため、がけ崩れや地盤沈下が起こりやすい区域での造成工事に対して適用されます。
特に、造成工事規制区域に指定されたエリアでは、都道府県知事などの許可を得ることが義務付けられており、工事の内容や土地の条件に応じた申請手続きが必要です。
以下は、宅地造成等規制法に基づいた許可が必要な工事内容と、許可申請の条件についての表です。
| 工事の種類 | 許可条件 | 費用の目安 | 期間の目安 |
| 擁壁の設置 | 高さが2m以上の擁壁の場合 | 50万円～200万円/10m | 2週間～1ヶ月 |
| 切土・盛土 | 1m以上の土を移動する場合 | 1,000～5,000円/m² | 1週間～1ヶ月 |
| 地盤改良工事 | 軟弱地盤に対する改良を行う場合 | 5,000～20,000円/m² | 1週間～1ヶ月 |
規制区域での工事は、工事の規模や方法に合わせた適切な手続きが必要です。
事前の準備と正確な手続きでスムーズに工事できるようにしていきましょう。
宅地造成工事を行うメリット
宅地造成工事を行うと、次のようなメリットがあります。
- 地盤の強化: 軟弱地盤を改良し、地震や大雨による土砂崩れのリスクを低減する。
- 水はけの改善: 雨水排水設備を整備することで浸水被害を防ぎ、住宅の耐久性を向上。
- 土地の有効活用: 高低差をならすことで、敷地全体を有効に活用可能にし、駐車場や庭の設置も可能になる。
- 土地の資産価値向上:建築が難しい土地を改良することで、資産価値を向上させることができる
つまり宅地造成工事は、私たちが安全・安心・快適な暮らしをするために、必要不可欠なものだということです。
とはいえ、厳格な法規制や申請などがあり、簡単に行えるものではありません。
【まとめ】
ここまで宅地造成工事の基礎知識について触れてきました。
まとめると次のようになります。
- 宅地造成工事は安全に建物を建てられるよう、土地を整備する工事のこと
- 工事にかかる費用や期間は土地の状況によって様々
- 厳格な法規制と申請がある
宅地造成工事は、私たちが安心・安全・快適に暮らしていくためにも欠かせない工事です。
ただ、難解な法律の理解や複雑な申請が必要であり、個人が自力で行うのは非常の難しいでしょう。
「一体誰に相談したら良いの？」
と思った方は、ぜひ我々にお問い合わせください。
