「擁壁工事ってなに?」
「費用はどのくらいかかるの?」
住宅を建てる際に考慮しなければならないことは、多岐にわたります。
その中でも特に重要なのが「擁壁工事」。
高低差のある土地や斜面に建物を建てる場合、擁壁は土砂の崩壊を防ぐための重要な建物なのです。
しかし、擁壁工事に関する知識が不足していると、思わぬ追加費用やトラブルに直面する可能性も…。
「でも、擁壁工事のことなんて何も分からない…」
という方もご安心ください。
この記事では、擁壁工事の基礎知識や重要性について、どこよりも丁寧に解説。
相場や種類なども徹底解剖しています。
この記事を読めば、擁壁工事のことではもう迷いません。
後悔のない決断をするためにも、ぜひ最後までご覧ください。
Contents
擁壁工事とは?
初めて住宅を建てる際に重要なのが、擁壁工事です。
擁壁工時は、土地の高低差を補って、土砂の崩壊を防ぐ壁を指します。
高低差のある土地に建てる、擁壁工事は必要不可欠と言えるでしょう。
擁壁工事の基本と必要性について知っておけば、この後で解説する知識も理解しやすくなります。
参考にしてください。
擁壁工事ってなに?
擁壁は、土地の安定性を保ち、土砂崩れを防ぐための構造物です。
高低差のある土地では、雨や地震で土砂が流出する可能性があります。
擁壁は、こうした自然災害から土地を守り役割を果たすのです。
また、土地の有効活用を可能にし、安全で快適な住環境の実現にも役立ちます。
例えば、斜面にたてられた住宅では、土砂が流れ込んで家屋に大きな被害を及ぼす可能性があります。擁壁工事を行えば、そのような心配はありません。
地盤を安定させ、土砂崩れのリスクを大幅に低減させます。
擁壁工事が必要なケース
擁壁工事が必要なケースは、土地の高低差や、土砂崩れのリスクがある場合です。
高低差のある土地では、雨水や地震の影響で土砂が流出する可能性が高まります。
そういった被害を防ぐためにも、斜面や高低差のある土地では、擁壁工事が欠かせないのです。
山間部や丘陵地に住宅を建てる場合、擁壁工時はほぼ必須と言えるでしょう。
こうした土地は、斜面を造成して宅地を作るケースが多く、擁壁がなければ地盤が不安定になり、住宅が危険に晒される可能性が高くなるからです。
擁壁工事は住宅だけでなく、住人や周辺の人々を災害のリスクから守るためにも重要なものだと言えるでしょう。
擁壁の種類は大まかに3つある
擁壁工事といっても、種類は様々。
それぞれに特徴やメリットがあります。
主に使用される擁壁の種類は次の通りです。
- 鉄筋コンクリート
- コンクリートブロック
- 自然石
これらの擁壁の特性や適したシーンなどを見てみましょう。
鉄筋コンクリート擁壁
鉄筋コンクリート式の擁壁は、強度を耐久性に優れており、最も代表的な擁壁と言えるでしょう。
鉄筋とコンクリートを組み合わせることで、高い耐久性と強度を持ち合わせ、長期間にわたって安定した性能を発揮します。
また、自由な形状に成型できるため、様々な地形やデザインに対応できるのも大きな魅力です。
高低差が大きく、土砂崩れのリスクが高い場所に住宅を建てる場合は、鉄筋コンクリート式の擁壁を使用することで、土地の安定性を向上させ、住宅を安全に守ることができます。
もし迷った場合は、鉄筋コンクリート式の擁壁を選べば間違いないでしょう。
強度と耐久性は3つの擁壁の中で、最も信頼性が高いです。
コンクリートブロック擁壁
コンクリートブロック式の擁壁は、施工が比較的容易であり、コストを抑えられるのが魅力です。
ブロック状のコンクリートを積み上げるだけで済むため、施工時間が短く、工費も抑えることが出来ます。
例えば、庭や駐車場の境界に簡易的な擁壁を設置したい場合は、コンクリートブロック式の擁壁が適しているでしょう。
DIYで行うこともできますが、規模によっては法に抵触する可能性がありますので、専門家に相談してから行いましょう。
小さい規模でコストを抑えて擁壁を作りたい方は、コンクリートブロック式の擁壁がおすすめです。
自然石擁壁
自然石擁壁は、景観に優れ、自然な美しさを持つ擁壁です。
コンクリートを使わずに擁壁を作ることができますが、強度の弱さから「擁壁」としては法律で認められていません。
自然石を使う1番のメリットは、自然な見た目を維持し、景観を向上させることです。
石の配置によっては独自のデザインが可能で、美観を重視したい場合に最適といえるでしょう。
例えば、庭園や公園など、景観を重視する場所では、自然石擁壁を用いることで、美しい景観を保ちつつ、軽度な土砂崩れを防ぐことが出来ます。
ただし、強度が弱く、大きな災害を防ぐことはできません。
また、法律上では擁壁として認められないため、インテリアとしての役割のほうが大きいでしょう。
擁壁工事の費用相場と費用を抑えるポイント
擁壁の工事費用は、種類・規模・地形などによって大きく変動します。
ただし、工夫次第ではコスト抑えることも可能です。
このコツを知っておけば、予算を抑え、住宅工事のコスパを高めることができます。
ここでは、擁壁工事の費用相場と費用を抑えるポイントについて解説しますので、工事の見積もり時などに役立ててください。
費用相場の30,000~50,000円/㎡
擁壁工事の費用相場は、30,000円から50,000円/㎡です。
地盤の状態や擁壁の高さ、材料の種類などによって費用は変動しますが、一般的な相場としては、この範囲内に収まることが多いでしょう。
例えば、100㎡の擁壁を施工する場合は、300~500万円程度の費用がかかることになります。
ただし、立地状況や使う素材によっては、さらに変動しますので、参考程度に留めておきましょう。
費用相場を押さえておけば、適切な見積価格を見極めやすくなります。覚えておきましょう。
擁壁の種類別費用相場
擁壁の種類によって、費用相場は異なります。相場は次の通り。
種類 | 費用相場 |
鉄筋コンクリート式 | 40,000~70,000円/㎡ |
コンクリートブロック式 | 30,000~50,000円/㎡ |
自然石 | 70,000~100,000円/㎡ |
鉄筋コンクリート式の擁壁は効果ですが、強度と耐久性に優れ、信頼性が非常に高いです。
コンクリートブロック式は施工が容易ですが、災害に対する備えとしては、若干心もとないと言えるでしょう。
自然石が高いのは、施工技術が必要であり、材料の運搬費がかかるためです。
法律上では擁壁として認められていないため、インテリアとして設置するものだと捉えておきましょう。
費用を抑えるためのポイント
擁壁工事の費用を抑えるためには、素材と工法選び・業者の選定・補助金の活用がカギになります。
具体的には、次のポイントに気を付けると良いでしょう。
- 素材・工法の選定…状況よって異なるため、いくつか素材・工法を紹介してもらい、予算に応じて最もコストパフォーマンスが高いものを選ぶ
- 業者の選定…複数の業者から見積もりを取り、費用・会社の雰囲気・サービス内容などを総合的に検討して選ぶ
- 補助金の活用…擁壁工事に対する補助金があるかどうかを調べ、業者に申請してもらう
費用の安さだけで選ぶと、後々トラブルが発生し、追加費用を払って工事が必要にある場合もあります。
多少高くても、生涯に渡って住宅や居住者の安全を保障できる擁壁工事を選択していきましょう。
擁壁工事の補助金とは
先ほども述べた通り、自治体によっては擁壁工事に補助金が出る場合がります。
擁壁工事は重要な工事ですが、費用が高額になるため、住民にとって負担になる場合があります。
負担軽減と安全確保の観点から、自治体によっては補助金を出している場合があるのです。
例えば、東京都世田谷区では、老朽化した擁壁の改修工事に対して補助金が支給されます。
この補助金は、改修工事費用の一部を補助するもので、最大で100万円の補助金を受けることが可能です。
また、板橋区でも同様の補助金制度があり、対象となる工事費用の20%を上限として支給されます。
擁壁工事の補助金を出すかどうかは、各自治体によって異なるため、工事を依頼する前に確認しておくと良いでしょう。
各自治体の補助金制度を活用することで、より安心で安全な生活環境を整えることが可能になります。
擁壁工事の耐用年数とメンテナンス
擁壁工事は、住宅の安全を確保するために欠かせない存在ですが、定期的なメンテナンスが必要です。
耐用年数とメンテナンスについて知っておけば、長期間にわたって安心して住むことができます。
定期的な修繕は万が一の備えにもなりますから、ここでメンテナンス方法などを押さえておきましょう。
擁壁の耐用年数は20〜50年
擁壁の耐用年数は、一般的には20~50年とされています。材料や設置環境によるため耐用年数に幅があります。
擁壁には主に鉄筋やコンクリートブロックが使用されるため、耐久性が高く、適切に管理されれば長持ちするのです。
例えば、鉄筋工クリート式の擁壁は耐用年数が50年とされています。
コンクリートブロック式の擁壁は20~30年です。
ただし、メンテナンス状況や地域の気候によっては、この限りではありません。
雨水が入れば、劣化スピードが早まります。
つまり、擁壁の耐用年数は使用する材料と施工方法・環境に大きく依存すということです。
いずれにしろ、定期的なメンテナンスは欠かせないでしょう。
定期的なメンテナンスの重要性と方法
擁壁の寿命を確保するためには、定期的なメンテンナンスが欠かせません。
擁壁は、風雨や衝撃などによって徐々に劣化していきます。
特にひび割れや沈下が見られた場合、早急な修繕が必要になるでしょう。
具体的なメンテナンス方法としては、表面のひび割れを早期に発見して補修することや、排水設備の点検・清掃などを定期的に行うことが挙げられます。
専門業者に依頼して、見落としがちな劣化個所も見つけてもらうと良いでしょう。
定期的なメンテナンスを怠らないことで、擁壁の耐用年数を最大限に引き延ばし、安全性を維持することができます。
擁壁工事の注意点
住宅の安全性を確保するために重要な擁壁工事ですが、施工する際はいくつかの注意点があります。
何も知らずに施工すると、トラブルが発生しやすくなってしまいます。
そうならないためにも、擁壁工事の際に知っておくべき法的な規制や安全性の確保について、知っておきましょう。
法的規制と注意点(宅地造成工事規制区域など)
擁壁工事を行う際は、法的規制を遵守する必要があります。
宅地造成工事規制区域内では、擁壁工時について厳しい規制が設けられており、適切な手続きを取る必要があるのです。
このことを知らずに擁壁工事をすると、罰則が科せられる場合があるので、注意しましょう。
例えば、擁壁の高さや材料、設置場所については地方自治体の条例に従う必要があります。
規制区域内で擁壁工事を行う場合、事前に自治体へ申請し、承認を得ることが求められますので、工事前に必ず確認しておきましょう。
擁壁工事を安全に進めるためには、法的規制を確認し、適切な手続きを踏むことが不可欠です。
業者と必ず打ち合わせしておきましょう。
安全性の確保と施工業者の選び方
擁壁工事の安全性を確保するには、信頼できる施工業者選びが欠かせません。
擁壁工事は専門的な知識と技術が求められます。
そのため、経験豊富な業者に依頼するのが安心です。
信頼できる業者は、過去の施工実績や口コミを確認することで見極めやすくなります。
また、複数の業者から見積もりを取るのも有効です。
価格だけでなく、施工内容・アフターサービスの充実度などを総合的に比較すると良いでしょう。
実際の施工現場を見せてもらうのも有効です。
費用が安いことに越したことはありませんが、費用だけが業者の選定要因でないことは十分に理解しておきましょう。
【まとめ】擁壁工事について悩んだらプロに相談しよう
ここまで擁壁工事の目的や種類などについて解説してきました。
まとめる次のようになります。
- 擁壁工事は土砂崩れなどの災害リスクを低減させるために行う
- 擁壁の種類は、大まかに鉄筋コンクリート・コンクリートブロック・自然石に分かれる
- 費用相場は30,000~50,000円/㎡
- 耐用年数は20~50年
擁壁工事は、土砂災害などのリスクを減らし、居住者や周辺住民の安全・安心のためにも欠かせないものです。
斜面や高低差のある場所で住宅を建てる場合には、必要不可欠な工事と言えるでしょう。
ただ、擁壁工事には様々な手続きや複雑な知識が必要であり、素人が一人で行えるほど容易なものではありません。
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