「自宅の駐車場に水たまりができて困っている」という方はいませんか?
駐車場に水たまりができるのは、水はけが悪いからです。
では、なぜ駐車場の水はけが悪いのでしょうか。
ここでは、水はけが悪くなる原因、水はけを解消する方法を詳しく解説していきます。
Contents
駐車場の水はけが悪い原因は何?
駐車場の水はけが悪い原因として主に次の5つが考えられます。
- 駐車場の排水能力不足
- 隣接道路との高低差
- 凸凹な整地状況
- 地質が粘土質
- 排水溝・配管の詰まり
それぞれの原因について見ていきましょう。
駐車場の排水能力不足
駐車場に降った雨水は、表面を伝って排水溝などに流れるようになっています。
これを表面排水といいますが、駐車場表面の勾配が不十分だと雨水がスムーズに流れないことがあります。
表面に凸凹ができたり、経年劣化によって勾配がなくなったりする場合にもこのような排水能力不足が発生するのです。
隣接道路との高低差
駐車場と隣接道路に高低差がある場合も、駐車場の水はけが悪くなる原因の1つです。
駐車場が隣接道路よりも低い位置にあると、道路から雨水が流れ込んでしまいます。
道路を低くすることは不可能なので、駐車場全体の高さを嵩上げして水が流れ込まないようにする必要があります。
ただし、駐車場全体の高さの嵩上げは、高額な外構工事費用がかかるため、どのくらいの予算をかけられるのかをしっかりと考えましょう。
凸凹な整地状況
駐車場がしっかりと整地されていないと、駐車場への車の出入りなどの影響によって徐々に地面が凸凹になります。
特に車を駐車するポイントはタイヤ部分の負荷によって地面が沈み込んでしまうため、凸凹ができやすくなるのです。
そのまま放置すると凹んだ部分に水たまりができて水はけの悪い駐車場になってしまいます。
たとえ駐車場を修繕しても車の重みで沈み込んでしまい、繰り返し水はまりが発生します。
地質が粘土質
駐車場を舗装せずに駐車場として使っていると、粘土質の地質では雨水が地中に浸透しにくく、水たまりができやすくなります。
コンクリートなどで舗装をしていないと、雨水が排水溝に向かって流れにくくなり、水はけの悪い駐車場になってしまうのです。
この場合、土壌を入れ替えることで解消されますが、根本的な解決にはなりません。
むしろ掘削によって水たまりを悪化させる可能性もあります。
排水溝・配管の詰まり
駐車場の雨水を排水する排水溝・配管の詰まりも原因の1つです。
排水管や配管に枯葉や泥などが詰まると水の流れが悪くなります。
雨が降ると水が溢れ出て駐車場のに水たまりが発生します。
駐車場の水はけを解消する方法は?
駐車場の水はけを解消するにはどうすれば良いのでしょうか。
ここでは次の4つの方法をご紹介します。
- 最適な勾配をつける
- コンクリート・アスファルトを使う
- 砂利を敷く
- 排水設備を完備する
それぞれの方法について見ていきましょう。
最適な勾配をつける
外構工事をする上で、駐車場や庭に雨水が溜まらないようにする方法を考えることが重要です。
見た目のおしゃれさだけでなく、水はけが良いなどの機能性も考えるようにしましょう。
そのためにも最適な勾配をつけて水がスムーズに流れるようにしなければなりません。
駐車場の舗装では、最低でも2〜3%の勾配をつける必要があります。
例えば、奥行き5mの駐車場なら10cmの高低差をつけなければなりません。
また、駐車場の排水計画は建物を新築する時から考えておくことが重要です。
駐車場の水勾配を確保するためにも、設計GLをどのくらい上げるのかを検討する必要があります。
道路から建物までの距離と駐車場の位置を考えることも大切です。
建物が道路から離れていると、その分駐車場やアプローチなどの勾配を考慮しなければならず、設計GLを高くする必要があります。
このように、駐車場に最適な勾配をつけるためには、建物の新築時から考えなければなりません。
コンクリート・アスファルトを使う
駐車場の地面をコンクリートやアスファルトにすると、水たまりができにくくなり水はけも良くなります。
セメントや砂利を水で固めたコンクリートで駐車場を舗装すれば、表面が平らになって手入れがしやすくなるだけでなく、雑草が生えにくくなるというメリットがあります。
ただし、施工費がやや高くなる点がデメリットです。
アスファルトは、粘土の高い炭化水素を多く含んでいます。
道路の舗装によく使われていますが、表面に凸凹があることで水はけが良いです。
一方で真夏はアスファルト表面が熱くなりやすいというデメリットがあります。
また、経年劣化によってひび割れしやすいです。
それぞれにメリット・デメリットがあるため、専門業者に相談し、予算なども踏まえて考えてみましょう。
砂利を敷く
駐車場に砂利を敷くことで、水たまりができにくくなり水はけの良い駐車場になります。
砂利にはたくさんの種類があるので、お庭や家の雰囲気にぴったりのものを選べる楽しさもあります。また、種類によっては防犯対策にも最適です。
砂利を踏みしめることで大きな音が鳴るので、不審者が侵入したらすぐに気づけます。
不審者も音を嫌がって家に近づかなくなるでしょう。
一方で、砂利は車体や窓ガラスに傷をつけてしまう可能性があります。
タイヤの溝に小石が挟まってしまうこともあるでしょう。
また、土の上に直接砂利を敷くと雑草が生えてしまうというデメリットがあるので、砂利の下に防草シートを敷いて雑草対策を行なってください。
ちなみに砂利と似たもので、「砕石」があります。
砂利が自然にできたものに対して、砂利は人工的に作り出した骨材です。
コンクリートを敷き詰める際の下地としてよく使われます。
価格が安く、地盤安定性が非常に高い点がメリットですが、さまざまな大きさの砂が混じっているため水はけが悪くなるというデメリットがあります。
砕石を駐車場に使う場合、しっかりと地面を整地し、機械で砕石を転圧することが重要です。
排水設備を完備する
排水設備を整えることで、水はけの悪さを解消できます。
例えば、暗渠排水という施工を行うのがおすすめです。暗渠排水とは、地下に埋設したパイプ・溝を使って土壌の余分な水分を排出するシステムです。
この施工により水はけの悪さを改善できます。
ただし、地下に溝を作って土管を埋めるなどの工事が必要になるため、非常に大掛かりな工事です。
費用も高額になるため、予算も考えた上で施工しましょう。
他にも、集水マスや配管を設置し、雨水が側溝に流れるように施工する方法もあります。
これは、雨水が多いところや、水勾配だけでは流せないところや側溝を入れられない場合に使われる方法です。
側溝が入れられる場所があるなら、側溝を設置することで適切に水を排水できます。
枯葉などでつまりやすい場所には掃除のしやすい側溝を設置しましょう。
まとめ
駐車場の水はけを解消するための方法について解説しました。
駐車場はさまざまな原因で水はけが悪くなり、駐車場に水たまりができてしまいます。
水はけの悪い駐車場は、雨の日に車を使う時に足が汚れてしまうなど、日々の生活に支障が出ます。
少しでも快適に駐車場を使うためにも、水はけの良い駐車場の設計が重要です。
これから外構工事や新築工事を計画する方は、専門業者に相談しながら適切な排水計画を考えた駐車場の設計をしましょう。