解体工事を検討し情報を収集していると「撤去工事」「解体工事」のワードを見かけることもあるでしょう。
どちらも同じように感じますが、異なる工事なので違いを理解しておくことが重要です。
この記事では、撤去工事と解体工事の違いや依頼先・依頼時に押さえておきたいポイントについて分かりやすく解説します。
Contents
撤去工事と解体工事の違い
撤去工事と解体工事は、どちらも建物を取り壊す際に必要な工事ですが、それぞれ工事の目的や意味が異なります。
大まかには、撤去工事が設備や解体後のものを取り除く工事、解体工事が建物を壊す工事とイメージするとよいでしょう。
撤去工事とは
撤去工事は、建物や各設備を取り去る工事です。
具体的には、建物を解体した後の廃棄物や電気・ガスといった設備の撤去・足場の撤去などが挙げられ幅広い作業が対象となります。
例えば、建物解体後の撤去工事なら、工事完了後は更地になります。
天井から照明を撤去する工事であれば、工事完了後は天井の照明がすべて外され天井のみが残っている状態です。
このように撤去工事は幅広い工事が対象となるので、何を撤去するかによって依頼する業種や必要な資格が異なってきます。
解体工事では建設業許可が必要ですが、撤去工事に建設業許可は必要ありません。
反対に、撤去するものに応じて資格が必要になってくるケースがあるので、依頼時には撤去するモノにあった業者に依頼することが大切です。
ただ、建物の解体工事を依頼する場合、基本的には解体業者が撤去工事まで行うので、別途撤去業者を探す必要はないでしょう。
解体工事とは
解体工事とは、建物を取り壊す工事です。
「解体」という言葉にはすでにできている工作物をバラバラにするという意味があり、解体工事といえば一般的に家屋やプレハブを壊す工事を指します。
解体工事というと、重機で取り壊すイメージを抱く方が多いですが、外構のみの解体・リフォーム時の内装解体なども解体工事に含まれます。
また、内装といった小規模な解体から高層ビルなどの大型建物の解体というように、規模もさまざまです。
なお、解体工事を行うには「建設業許可」か「解体工事業登録」のいずれかの資格が必要になります。
さらに撤去工事業者・解体工事業者に関わらず産業廃棄物に関する許可の確認も大切です。
許可がないからといって違法にはなりませんが、許可がなければ処理を外部に委託するためコストが上がる・不法投棄の恐れがあるなどリスクも生じやすくなります。
撤去工事・解体工事はどこに依頼すればいい?
工事の内容によって適切な依頼先は異なります。
とくに撤去工事は何を撤去するかによって業種も異なるので注意しましょう。
例えば、電気系統の撤去であれば電気工事業者、リフォームの際の内装撤去であれば内装業者などが依頼先として適切です。
基本的には撤去するものを設置した業種も業者や撤去後に設置を依頼する業者などで撤去業者を探すとよいでしょう。
ただ、建物の解体工事にともなる撤去工事であれば、基本的に解体業者が行ってくれるので別途撤去業者を探す必要はありません。
専門的な撤去業者が必要になるケースでも、解体業者手配してくれるのが一般的です。
また、撤去工事・解体工事いずれの業者を探すにしても、相見積もりをとって複数の業者を比較することが大切です。
業者によって費用や施工の質などは異なります。
見積もりの段階で費用や対応・資格など幅広い項目で比較して、自分にあった業者を選ぶようにしましょう。
家の解体工事の撤去工事で押さえておきたいポイント
最後に家を解体する際の撤去工事について、押さえておきたいポイントとして以下の3つを解説します。
- 解体業者が撤去工事まで行ってくれる
- ライフラインの停止手続きを事前に行う
- できる範囲は自分で処分しておくと費用を抑えられる
解体業者が撤去工事まで行ってくれる
前述のとおり、家の解体では撤去工事も解体業者が行うか専門の業者を手配してくれるため、施主が改めて撤去業者を探す必要はありません。
ただし、外部に委託するケースでは費用が高くなる恐れもあるので見積もり時にしっかり確認するようにしましょう。
また、解体業者が保有する資格についても依頼前に確認しておくことが大切です。
「建設業許可」か「解体工事業登録」は必須であり、くわえて産業廃棄物に関する資格もあればより安心して依頼できるでしょう。
ライフラインの停止手続きを事前に行う
電気・ガス・インターネットなどのライフラインは、解体工事前に停止しておく必要があるので、施主で停止手続きする必要があります。
なお、水道については解体工事で必要になってくるので、停止しないのが一般的です。
水道の停止の必要があるかは、事前に解体業者に確認するようにしましょう。
ライフラインが停止できていないと工事で危険になるため、解体作業が予定通りできない恐れがあります。
手続きするライフラインや時期によっても停止までの期限は異なりますが、停止まで数週間かかるケースもあるので早めに手続きするようにしましょう。
できる範囲は自分で処分しておくと費用を抑えられる
建物解体では解体業者が残置物も撤去してくれますが、残置物が多いほど費用も上がります。
できる範囲は自分で処分を進めることで、解体コストを抑えやすくなるでしょう。
また、エアコンやソーラーパネル・給湯器などは解体業者より専門の業者の方が費用を抑えて撤去できるケースもあるので、解体業者や専門の業者に相談のうえ適切に処分するのもおすすめです。
まとめ
撤去工事は解体後のものや設備などを取り去る工事であり、解体工事は建物を取り壊す工事という違いがあります。
照明や内装といった一部のみを撤去する場合は、撤去するものに合わせて撤去業者を探すとよいでしょう。
建物解体に伴う撤去工事であれば、解体業者が撤去工事まで行うので撤去業者を探す必要はありません。
撤去・解体の目的に合わせて複数の業者を比較し、あなたにぴったりの信頼できる業者を選ぶようにしましょう。