ブロック工事とは、コンクリートブロックで塀を作る工事のことです。
家や家族のプライバシーを守るために、外構工事としてブロック塀が作られることはよくあります。
本記事では、ブロック工事のメリット・デメリットやブロック工事での基礎づくりの重要性など、ブロック工事にまつわる内容を解説しています。
Contents
ブロック工事のメリット・デメリット
コンクリートブロックを外構工事で活用するためにも、ブロック工事のメリット・デメリットについて知っておく必要があります。
ここでは、ブロック工事のメリット・デメリットをそれぞれご紹介します。
メリット
まず、ブロック工事をすることで得られるメリットには、以下の2つがあります。
- 道路や外部からの視界をシャットアウトし、プライバシーを守ることができる
- コンクリートブロックの耐久性は高く、メンテナンスの手間がかからない
コンクリートブロックは30年は持つと言われており、一度施工すればそのまま長く使うことが可能です。
外部からの視線が気になる方にとっても、コンクリートブロックを施工することで視線を遮ることができます。
デメリット
続いてブロック工事をすることのデメリットを見ていきましょう。
- 風通しが悪くなる可能性がある
- 重厚な見た目が圧迫感を与えることがある
- 地震などが発生すると崩れる恐れがある
コンクリートブロックは風通しが悪くなる恐れがあるため、適度に穴の空いたコンクリートブロックを組み合わせることで、風の通り道を作ることができます。
また、高さのあるブロック塀は地震などによる揺れで壊れる可能性があり、事故や怪我などが発生する恐れもあって大変危険です。
建築基準法ではコンクリートブロック塀の最大施工の高さは2.2m以下と定められているため、基準を守って施工しましょう。
ブロック工事でかかる費用
ブロック塀を施工する際にかかる費用は以下のようになります。
- 掘削工事 1万円〜3万円
- 既存構造物撤去工事 1m2あたり5,000〜1万円
- 基礎工事 1m2あたり1.4万円〜2万円
- ブロック積み 1m2あたり9,000〜1.25万円
ブロック塀を作る範囲によって、トータルでかかる費用は異なりますが、だいたい上記の金額が費用相場となります。
外構工事で使われるブロックの種類
外構工事では、塀や門柱、土留め、飾り壁、花壇などでコンクリートブロックをよく使います。
コンクリートブロックには主に以下の3種類があります。
- 基本ブロック
- 横筋ブロック
- コーナーブロック
それぞれのブロックについて詳しく見ていきましょう。
基本ブロック
基本ブロックは、3つの穴が空いているブロックのことで、一般的によく使われているブロックです。中央の穴は使用せず、両サイドの穴に鉄筋を通したりコンクリートを流し込んだりして強度を高めています。
多段積みすると横向きに鉄筋が通せなくなってしまい、強度が低くなってしまうというデメリットがあります。
横筋ブロック
横向きに溝がついたブロックのことです。
基本ブロックのような穴はありません。横向きに鉄筋を通したい場合によく使われています。
塀などの強度を高める際には非常に重要な役割を担います。
コーナーブロック
コーナーブロックは、基本ブロックの片側の溝がないタイプのブロックのことです。
角や隅に使われます。横筋ブロックとコーナーブロックを組み合わせたブロックもあります。
ブロック工事の工程
ブロック工事がどのような施工手順で行われているのか、1つずつ工程を確認していきましょう。
- 掘削工事
- 転圧
- 基礎工事
- ブロック積み
それぞれの施工内容について解説していきます。
1,掘削工事
ブロック工事では基礎を地中に施工することが一般的です。
そのため、まずはブロック塀を作るために土を掘り下げる掘削工事を行います。
2,転圧
土を掘り下げてできた穴に、基礎となる地盤を強固な路盤にしていく作業です。
砕石を敷き均し、振動を与えて土を締め固める「転圧」を行ない、強固な路盤作りをします。
ここでの工程によって、ブロック塀をより強固なものにしますが、外構業者の中にはこの工程を省くような悪質な業者もいます。
そのような業者によって作られたブロック塀は、工事完了後の数年でブロック塀が傾いたり、壊れたりといったトラブルが発生することがあるようです。
このようなトラブルを避けるためにも、悪質な業者を選ばないこと、工事現場をこまめに確認して適切な工事が行われているか確認することが大切になってきます。
3,基礎工事
次に基礎工事を行います。
ブロック塀を垂直に立たせるためにも地中に基礎を作らなければなりません。採石転圧して強化された路盤の上に、鉄筋を含ませた基礎を地中に作っていきます。
丈夫な基礎を作ることで、耐久性の高いブロック塀が完成します。
4,ブロック積み
最後に、基礎の上にブロックを積み上げたら ブロック塀の完成です。
ブロック工事は、長さや高さによっても異なりますが、大体3〜4日程度が工事期間となります。
ブロック工事は基礎づくりが重要
ブロック工事では、基礎づくりが重要になってきます。
先にも述べたように、ブロック工事は、ただ地面の上にブロックが積み上げられているわけではありません。
基礎も作らずにブロック塀を作ると、強度がほとんどないため簡単に傾いたり動いたりしてしまいます。
そのため、台風や地震などの自然災害時に倒壊する恐れもあるのです。
そこでブロック工事の際には、ブロックの下にコンクリートの基礎を作ることでより強固なブロック塀を完成させられます。
よりブロック塀の強度を高めるために、基礎やブロックの内部には鉄筋が通されます。
鉄筋があることで、基礎やブロックをより強固なものにし、高い耐久性を保つことが可能です。
ブロック工事の基礎をより補強するには?
ブロック工事の基礎をより強固なものにすることで、万が一の災害時にも崩れにくいブロック塀を作ることができます。
ブロック工事の基礎をより補強する方法には、以下の2つがあります。
- 基礎の増し打ち
- アラミド繊維シート
2つの方法について見ていきましょう。
基礎の増し打ち
基礎の増し打ち補強とは、基礎の隣に鉄筋を組んで基礎と一体化させる方法のことです。
強度を飛躍的に高めることができ、耐震改修工事にもなります。
アラミド繊維シート
アラミド繊維シートを基礎に貼り付けて行う方法も、基礎を強固にしてくれます。
アラミド繊維とは、鋼材の5倍以上の強度のあるシートのことで、引っ張られる力に対して非常に強い素材です。
アラミド繊維シートをブロック塀に使うことで、基礎の強度を上げられます。
ブロック工事を行う際の注意点
最後にブロック工事を行う際の注意点について見ていきましょう。
- 建築基準法の基準を確認
- 日本建築学会による基準を確認
- 安すぎる見積もりには注意
3つの注意点を解説していきます。
建築基準法の基準を確認
建築基準法では、ブロック塀に関して2.2m以下の高さで、厚さ15cm以上必要という規準が設けられています。
高さ2m以下のブロック塀の場合は、厚さ10cm以上が規準です。
また、ブロック塀の内部には、縦横9mm以上の鉄筋を設置しなければならず、鉄筋の間隔も80cm以下と定められています。
ブロック塀の高さが1.2m以上の場合、控え壁を施工しなければなりません。
控え壁は長さ3.4以下の間隔で直径9mm以上の鉄筋を入れる必要があります。
控え壁の高さは、35cm以上で根入れの深さは30cm以上必要です。
日本建築学会による基準を確認
日本建築学会でもブロック塀に関しての基準が設けられています。
日本建築学会の基準は、建築基準法よりも厳しい基準となっています。
- 塀の高さ2mまでの場合、壁の厚さは12cm以上必要
- 塀の高さ2mを超える場合は、壁の厚さが15cm以上必要
また、異形鉄筋の設置が必要で、直径10mmの太さで縦に40〜80cm間隔で1本、横には80cm以下の間隔で1本入れなければなりません。
安すぎる見積もりには注意
ブロック塀に限らず、建築業界では施工業者が提示する見積もり金額は大きく差があります。
現在の建築業界は価格競争が激化しているため、激安を謳って圧倒的に安い金額を提示する業者もいます。
ただし、安すぎる見積もりには注意が必要です。
なぜなら、安く仕上げるために目に見えない部分の材料を減らすなど、質の悪い施工をして利益を得ている業者である可能性が高いからです。
路盤や基礎の部分の手を抜いたり、強度が不十分にも関わらず工事を進めたりしている恐れもあります。
そんな手抜き工事だと、施工後数年も経たないうちにブロック塀が倒壊してしまう可能性もあります。
事故や怪我などの恐れもあって大変危険です。
ブロック塀の外構工事を依頼する際は、複数の業者から見積もりを取ってしっかりと比較してから施工業者を決めるようにしましょう。
安いからという理由だけで業者を決めると、悪質な業者に捕まってしまう可能性があります。
慎重に業者選びを行なってください。
まとめ
外構工事でブロック塀の施工を検討している方も多いでしょう。
ブロック塀は、外からの視線を遮る目隠し壁として優秀です。
ただ、風通しが悪くなるなどのデメリットもあるため、風を通す穴などを作るなどの工夫もしなければなりません。
また、ブロック工事では、ブロック塀の耐久性を高めるためにも基礎が重要になってきます。
しかし、悪質な業者だと、地中にある基礎部分の手を抜く業者もいます。
ブロック塀を強固なものにするためにも、基礎づくりはとても重要です。