ガレージを設置する場合、例え自宅・所有地ではあっても建築確認が必要な場合があります。
そこで本記事では、ガレージ設置の建築確認の方法を解説します。
また、そもそもなぜ自らの土地でありながらわざわざ建築確認を行わなければならないのかなど、法的観点と併せて開設していきましょう。
Contents
ガレージ設置の建築確認とは?
ガレージを設置する際、建築確認が必要な場合があります。
その理由は、設置するガレージが建築基準法や都市計画法に適合していなければならないからです。
建築確認を受けることで、安全面や周囲の環境に配慮した適切な建築物としてガレージ設置が可能になります。
建築確認が必要な場合
基本的に構造がしっかりしているタイプは必要です。
例えばプレハブのようなガレージや、規模が大きいガレージの場合です。
一方で、カーポートのような簡易的なガレージや設置面積が一定以下の場合には、建築確認が不要となる場合もあります。
そのため、建築確認に関しても「必要なのか、不要なのか」を判断してもらうことになります。
建築確認が必要とされる理由
ガレージ設置の際、建築確認が必要とされている理由は、建築基準法に基づいてガレージが設置される場合、ガレージも「建物」として扱われるからです。
建物として一定の基準をクリアすることが求められているため、建築確認が必要になります。
仮に適切な手続きを踏まずにガレージを設置した場合、後で行政から取り壊しを命じられることもあります。
ガレージ設置の建築確認の手続きの流れ
ガレージ設置の建築確認の手続きについて、流れに沿って解説していきましょう。
まずは申請前に必要な準備です。ガレージを設置するためには以下の準備が必要です
設置するガレージの種類を決定
プレハブ式、鉄骨構造、木造など、どのタイプのガレージを建てるかを決定します。
この点に関しては家屋とのバランスや大きさ、機能、予算等で判断するため、「正解か不正解か」ではなく、土地の状況の確認:土地の面積、形状、周囲の環境(例えば、隣接する道路や建物)を調査します。
必要書類の準備
設置するガレージの設計図、施工計画書、周辺の写真などが求められることがあります。
そのため、設計を依頼する業者と相談しましょう。
申請方法・書類
ガレージ設置にあたっては、まずは地元の市区町村役場や建築審査機関に対して建築確認申請を行います。
その際、以下の書類が必要です。
- 建築確認申請書:ガレージ設置の申請書
- 設計図:ガレージの正確な設計図(平面図、立面図、配置図など)
- 土地利用計画書:周辺環境や土地の利用に関する計画書
これらを不備なく提出すると、以下の内容にて審査が行われます。
- 建築基準法の適合性の確認:構造、安全性、耐久性など
- 周辺環境の影響調査:近隣住宅への影響や、日照、風通しなどの確認
審査は1週間から数週間かかります。
この点は受理する自治体側の状況に左右されます。
業務が逼迫している場合は時間がかかってしまいますが、自治体側のリソースに余裕がある場合、比較的速く審査が終了します。
審査を受け、申請内容に問題がなければ「確認済証」が交付されるので、ガレージ設置が可能になります。
ガレージ設置における制限と条件
ガレージ設置にあたっては、建築確認が不可能な場所、つまりは制限がある場所・条件があります。主な条件としては以下のとおりです。
- 建築物の高さ制限
- 敷地の面積や道路との接続
- 建築基準法
- 都市計画法
ガレージ設置にあたっては、これらは最低限把握しておくべきものです。
それぞれについて、詳しく解説していきましょう。
建築物の高さ制限
周囲の環境への配慮として、過度に高いガレージは設置できないことがあります。
この点に関してはさほど意識する必要はありませんが、ガレージ一体型の建物だったり、あるいは斜面に設置する場合などに該当する可能性があります。
さほど影響ない部分ではあっても、一応周囲の高さ制限を確認しておきましょう。
敷地の面積や道路との接続
最低敷地面積や建蔽率、容積率も大切です。
ガレージの場合、容積率はさほど問題ではありませんが、最低敷地面積に関しては、狭小地や狭い敷地の場合、ガレージ設置が難しくなるケースがあります。
また、建物や車両の出入りがしやすいように、適切な広さの道路との接続が必要です。
建築基準法において、建物は道路に接していなければならない規定がありますが、ガレージも同様です。
他にも道路の幅や接道の種類、前面道路の制限に抵触していないのかなども考慮する必要があります。
建築基準法
日本の建物は、法律にて耐震性、火災対策、通風が定められており、ガレージも例外ではありません。ガレージ設置の際に建築基準法に違反する部分があると建築確認は認められません。
都市計画法
都市部では「都市計画法」と呼ばれる、行政による開発方針を定めた法律があります。
都市の計画のための法律で、建物の高さや規模、土地利用等まで規定されたものです。
仮に都市計画法に違反する場合、ガレージ設置はできません。
個人の住宅ではあっても都市計画法は無視できないものなので必ず把握しておきましょう。
ガレージ設置のよくあるミスとその対策
ガレージ設置の際によくあるミスとして以下の2点が挙げられます。
- 事前に確認しないまま工事を開始する
- 設置場所が不適切
それぞれについて、対策と併せて解説していきましょう。
事前に確認しないまま工事を開始する
建築確認が必要なケースでも、事前に確認せずに工事を始めると、後で取り壊しを命じられるリスクがあります。
後になって「もう建てたから」は通用しません。
破却命令を下されることもあるので、必ず工事前に関連する法律等を確認しましょう。
設置場所が不適切
道路に近すぎる、近隣住民への影響が大きい場合などが挙げられます。
これらのリスクを避けるためには、事前にしっかりと調査を行い、専門家と相談することが重要です。
隣接する道路に影響が出るような場合、最初に設計が認められても、後から隣人からのクレームや役所からの指摘があるかもしれません。
事前に周囲との調整を行い、設置場所を最適化することが重要です。
ガレージ設置の建築確認でよくある質問(FAQ)
ここではガレージ設置の建築確認について、よくある質問とその答えをFAQ形式で紹介します。
Q:許可が下りなかった場合の対応は?
A:建築確認申請が却下される場合、どのような対応をするべきかについても知っておきましょう。例えば、設置場所が適していない、規模が大きすぎる、建築基準に合わないといった理由で却下されることがあります。この場合、設計を見直し、再申請を行うことが必要です。
Q:申請後の注意点は?
A:建築確認が下りた後も、工事が始まる前に工事の進行状況を監視し、設計内容に沿った工事が行われているかや工事終了後、最終検査を受ける必要があります。
Q:後から撤去を命じられた場合の撤去費用は?
A:違反が露呈した場合、行政から撤去を命じられる可能性があります。その際の撤去費用は自己負担です。残念ながら行政側が負担することはありません。
だからこそ、建設前の段階で違反がないのかを念入りに確認しておきましょう。